創業の思い

敏感肌の娘のために、暑い夏も、乾燥する冬も毎日快適にすごせる、心地よい肌着を探したのがはじまりです。ランドセルを背負った背中はびっしょりで、時にはあせもも。。 

 

ママ目線として購入するポイントはいくつかありました。まずはなんといっても肌ざわり着心地の良さ。そして洗濯してもすぐに縮んだりレースが撚れたりしない綺麗な縫製。デイリーアイテムなのであまり高額でも困ります。。

 

なかなか納得のいく肌着を探すことができず、自分で作れないかしら?と考えるようになりました。

 

模索していた2011年、東北地方太平洋沖地震が起きました。日本中が悲しみに包まれ、私には全細胞が震えるような衝撃でした。

東京でも物流が滞り、節電で薄暗い街になりました。初めてスーパーの棚に物がないという状況も経験しました。

このような時に自分だけ良ければいいのか。何か自分にも役にたてることはないのか。神様は私たちに何に気づきなさいとおっしゃっているのか。。ずっと考えていました。

 

その年の夏、息子がボランティアで陸前高田市を訪れました。生き物が好きな彼は、黙々と打ち上げられた魚や鳥に向き合い、漁港整理のお手伝いをさせてもらいました。テレビからは伝わらない沢山の様子を目の当たりにして、あまり多くを語りませんでした。

 

インターネットで息子が訪れた陸前高田市を調べていくうちに、被災しながらも早々に操業を再開した縫製工場があることを知りました。しかもその工場は下着専門の縫製工場です!

 

丁寧な作業をいくつも経て製品にしていく様子が掲載されていました。偶然ですが、以前私はこちらの製品を購入したことがあり経年しても変わらないその品質の良さを実感していました。この下着を作っている職人さんは日本の誇りであり財産です。

 

探していた肌着もここなら作れる。そして少しでもお役にたてるかもしれない。

まるで扉が次々と開くように、迷うことなく商品化へと進んでいく事ができました。

企画・生産の方をはじめ、沢山のママ友にも意見を伺い、試行錯誤しながら、多くの方がたの力をお借りしてできた製品です。

娘の学校の購買部に置いていただいたり、母校の制服業者さんに扱っていただいたり、

飛びこみで営業(になっていたかどうか?!)をしたお受験専門店で扱っていただいたりと、少しづつ販路もひろがりました。

 

私の下着を着てくださっているお嬢様が、このスリップしか着たくない!とおっしゃって

いると聞いた時は本当にうれしく、何よりの励みになりました。

 

子どもは世界の宝ものです。優しく包み込むように、丁寧に大切に作られた下着が

お子様の成長の一助になれば幸いに存じます。

 

          jseed  代表  小山純子